HOME > 台風ハイエン被災零細農民の生計向上プロジェクト > 6月以降の状況
お久しぶりです。前回のブログから大分時間が空いてしまい大変失礼しました。プロジェクトチームの人員体制の変更等でブログの更新がすっかり滞ってしまいましたが、プロジェクトの方は予定通りに進んでいます。来月からは被災した零細農民のニーズに答える農業マイクロファイナンス融資商品の開発のためのニーズ調査を開始する予定です。
さて、6月以降に実施した活動を以下、簡単にご報告します。
6月〜7月:社会的業績管理(SPM)戦略改定ワークショップの実施
本プロジェクトのパートナーとして選定した3つの協同組合型マイクロファイナンス組織(MFI)に対してSPM戦略改定ワークショップを実施しました。このワークショップを通して、MFIは実際にSPM(社会性と財務面のバランスの取れた経営を目指すマネジメント手法)を組織の戦略や事業計画に織り込む作業に取り組みました。具体的には、①組織のコアバリューと使命の明確化、②組織の現状分析、③組織の戦略目標達成までのシナリオを定めた戦略マップの作成、④社会性、財務、顧客(顧客とステークホルダー)、内部統制(業務管理、顧客管理、技術革新、制度)、資本(人材、情報、組織)の5つの視点から戦略毎の目標を定めたバランススコアカード(BSC)の作成です。ちなみにこのBSCが各組織のSPM戦略計画であり、我々が戦略の進捗状況をモニタリングする際の指標となります。
協同組合は本来的に会員である顧客の便益に資する組織であるものの、このSPMというマネジメント手法、またその概念は、参加した理事やマネージャーたちにとって新しいものであったそうで、大きな手ごたえを感じるワークショップになりました。
戦略マップの作成
8月:ガバナンス研修の実施
8月10〜12日の3日間、パートナーMFIの一つ、Abuyog St. Francis Xavier Credit Cooperative(AFCCO)に対してガバナンス研修を実施しました。本トレーニングは社会的パフォーマンス向上の一環として、MFIの理事を含めたトップマネジメント層を対象に、効果的なガバナンスについて理解し、日々の業務に活かしてもらうことを目的としています。AFCCOはハイエン台風の被害が最も深刻であったAbuyogという地方にあり、会員数の減少に伴う経営状態の悪化に苦しんでします。そこで原状回復のための支援として、本研修を追加措置として行いました。
ガバナンスに関する知識のクイズ
9月:SPM戦略改定フォローアップワークショップ
9月には再度パートナーFMIを訪問し、SPM戦略改定ワークショップにてドラフトしたBSCの見直しと最終確認を行いました。3〜4日はFATIMA Multi-Purpose Cooperative (FATIMA)、5日〜6日にはBontoc Multi-Purpose Cooperative (BCCI)を訪問、そして27日〜28日はAFCCOに対してフォローアップワークショップを実施しました。MFIは今後このBSCに定めた計画を実行し、顧客の保護と持続的かつ財務的に自立した経営の実現を目指していきます。
今後はもっと頻繁に進捗状況を共有して参りますので、何卒よろしくお願いします。
BSCの見直し